近年のIT化への期待の高まりにより、ITに関する資格取得を考えている方が増えてきています。
IT資格の中でまず思い浮かぶのがIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)による「基本情報技術者試験」です。この基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門ともいわれ、体系的にIT知識を得るためには非常に良い資格です。
資格取得を考えている方の中には「できるだけ早く基本情報技術者試験に合格するために一夜漬けで臨もう」とお考えの方もいらっしゃると思います。
そこで本記事では、「基本情報技術者試験に一夜漬けで合格できるのか?」という疑問にお答えするとともに、効果的な勉強法を提案したいと思います。
一夜漬けで基本情報技術者試験に合格できるのか?
結論:不可能に近いです(一部例外を除く)
結論としては「不可能」です。
※ただ、以下の方は例外かなと思います。
- 以前に基本情報技術者試験に合格したことがあり、再受験をする方
- 情報系の専門学校・大学・高等専門学校の出身でかつ、5年以上のIT系の職業に就いている方
以下に一夜漬けが難しい2つの理由をまとめました
理由①:試験範囲の広さ
基本情報技術者試験は以下のように科目Aと科目Bの2種類が出題され、科目AではITにおける内容に関して広い範囲で出題され、科目Bではアルゴリズム・セキュリティに関する問題が出題されます。
特に科目Aに関しては、試験範囲の内容が多岐にわたり、記憶定着の観点から見ても全内容を一夜漬けで記憶しておくことは困難だと言えるでしょう。
【科目A】:60問
大分類 | 中分類 | |
テクノロジ系 | 基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | ||
コンピューターシステム | コンピュータ構成要素 | |
システム構成要素 | ||
ソフトウェア | ||
ハードウェア | ||
技術要素 | ユーザーインタフェース | |
情報メディア | ||
データベース | ||
ネットワーク | ||
セキュリティ | ||
開発技術 | システム開発技術 | |
ソフトウェア開発管理技術 | ||
マネジメント系 | プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント | |
システム監査 | ||
ストラテジ系 | システム戦略 | システム戦略 |
システム企画 | ||
経営戦略 | 経営戦略マネジメント | |
技術戦略マネジメント | ||
ビジネスインダストリ | ||
企業と法務 | 企業活動 | |
法務 |
【科目B】:20問
- データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)
- 情報セキュリティ
からの出題
理由②:【科目B】の試験形式の難しさ
特に【科目B】で出題される「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」の試験形式に慣れるのが難しいです。
基本情報独自の疑似言語を用いたアルゴリズム問題が出題されます。科目Bとしての学習も必要になるため、一夜漬けでこの形式に慣れるのも至難の業と言えるでしょう。
短期攻略法(2週間):非推奨
ある程度の知識の下地がある方(「ITパスポート」に合格できるレベル)であれば、私の感覚としては「2週間」という短期間において、平日は毎日3時間、土日は合わせて12時間程度の学習期間があれば何とか合格ラインに届くことができるのではないかと思います。(それでも厳しい戦いになると思います…)
この2週間での最短合格を目指す方であれば、「基本情報技術者試験ドットコム」をとにかく解きまくるのが最適解です。参考書を読んで理解する時間を確保するのは恐らく不可能だからです。
一夜漬けに頼らない勉強計画のすすめ(3か月):オススメ
基本情報技術者試験を一夜漬けではなく、しっかりと内容を理解して確実に合格に繋げるための理想的な学習期間は「3か月」です。これぐらいの期間が確保できるのであれば以下の勉強スケジュールで確実に合格に結びつけることができるでしょう。
- 1か月目:以下の参考書を2~3周読み込む(私が実際に用いた教材です)
- 2か月目:分からない点は上記参考書を見つつ、「基本情報技術者試験ドットコム」で科目Aと科目Bの問題にチャレンジし、出題される問題の雰囲気を掴む
- 3か月目:「基本情報技術者試験ドットコム」で科目Aと科目Bの問題をガンガン解く(苦手な科目やジャンルの学習割合を個人で調整する)
- ※私は仕上げとして問題集「令和07年 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集 [ 山本 三雄 ]」にも取り組んでいました
おわりに:一夜漬けではなく長期的な学習を目指そう
かなりのITに関する下地がない限り、基本情報技術者試験を一夜漬けで突破するのは不可能です。できれば、3か月ほどの学習期間を取り、確実に合格に結びつけましょう!
